作 谷川俊太郎 画 和田誠
日曜日の朝 なにも することがなかったので、ひろしは あなを ほりはじめた。
おかあさん となりのしゅうじくんがきて「なにをするんだい この あな」
ひろしは こたえた「さあね」 そしてあなを・・・
そんなとき おおきな いもむしが あなのそこから はいだしてきた。
「こんにちは」と ひろしは いった
いもむしは、 だまって また つちのなかへ
ひろしは ほるのを やめて すわりこんだ。
あなのなかは しずかだった。 つちは いいにおいがした。
「これは ぼくの あなだ」
ひろしは おもった。
おかあさん いもうと しゅうじくん そしておとうさん「なかなか いい あなが できたな」 ひろしは「まあね」
あなのなかから みる そらは、いつもより もっと あおく もっと たかく おもえた。
「これは ぼくの あなだ」ひろしは おもった
日常の休日でのひろしにとっては とても充実した時間を過ごします 体験したこと 体感したこと
「あなをほる」と言うとてもシンプルな絵本です
自分というアイデンティティはこんなかたちで形成されるものなのかもしれないですね
あなを掘り進めているうちに あなが自分のものになっていく様子を感じとれる絵本でした
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